【実体験から解説】コンクリート診断士の合格に必要な勉強時間は?勉強方法は?

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こんにちは。記事の閲覧ありがとうございます。

この記事では、「コンクリート診断士」という資格に関して、この資格の保有者である筆者が、必要な勉強時間とおすすめの勉強方法を解説します。

コンクリート診断士という資格がどんなものなのか興味のある方や、これから勉強を始めようとしている方の参考になれば幸いです。

鉄コンくん<br>(筆者)
鉄コンくん
(筆者)

この記事は、コンクリート診断士を保有しており、実務でも鉄道会社にてコンクリート構造物の点検をおこなっている筆者が解説します。

コンクリート診断士とはどんな資格?

勉強するためのノートとペン

コンクリート診断士とは、コンクリート構造物の調査・診断・維持管理に関する幅広い知識を持った技術者を認定する資格です。

日本コンクリート工学会が実施する試験で、民間資格となります。

ここからは、具体的にどんな資格なのか解説していきたいと思います。

どんな人が受ける資格?

受験者の属性については、公式に公開されているものはありません

ただし、後述の受験資格を考えると、実務でコンクリートの診断業務に携わっている人や大学でコンクリートについて学んだ人が対象となります。

コンクリート構造物の診断を実務として行う、インフラ関係企業やコンサルタント会社、建設会社などで働く人が受けることが多いと想定されます。

どんな試験なの?

試験は筆記試験のみで、例年7月下旬の日曜日に開催されています。

試験時間は3時間です。

筆記試験の内容は、「四肢択一問題(40問)」と、「記述問題(1000字)」の2つです。

四肢択一問題では、コンクリート診断士として求められる、以下の知識を問われる問題となっています。

 ◦変状の種類と原因  ◦劣化の機構  ◦調査手法

 ◦劣化予測、評価および判定基準  ◦対策の種類、補修・補強工法

 ◦建築物および土木構造物の診断の考え方・調査項目

 ◦技術および基準類の変遷

記述試験では、劣化事例を問題中で示されるので、それに対してどのような診断をするか、また補修方法の提案なども含めて1000字以内で論理的にまとめる能力が必要です。

受験資格は?

コンクリート診断士の受験に必要な資格は、次の2つです。

e-ラーニングを修了している

例年、試験申し込み後、4月~5月にかけてWEBで受講可能なe-ラーニング(全9時間)を修了する必要があります。

鉄コンくん<br>(筆者)
鉄コンくん
(筆者)

e-ラーニングは1度受講すると2年間有効です。

つまり、1回試験に落ちても、翌年再度e-ラーニングを受講する必要はありません。

(2回落ちたら、またe-ラーニングからやり直しです。)

②所定の資格または学歴を保有している

具体的には、次のAまたはBのうち1つを満たしている必要があります。

A.以下のいずれかの資格を有している

コンクリート主任技士、コンクリート技士、一級建築士、技術士(建設部門、農業部門-農業土木)、特別上級・上級・1 級土木技術者、RCCM(鋼構造及びコンクリート)、コンクリート構造診断士、1級土木施工管理技士、1級建築施工管理技士

B.以下のいずれかの学歴(コンクリート技術に関する科目を履修し卒業)・実務経験を有している

大学、高等専門学校(専攻科):4年以上の実務経験

短期大学、高等専門学校:6年以上の実務経験

高校:8年以上の実務経験

鉄コンくん<br>(筆者)
鉄コンくん
(筆者)

僕は、A・Bどちらも満たしていましたが、Bは必要な提出書類が多い(大学や会社の証明書が必要)ので、Aの「1級土木施工管理技士」保有であることを示す「監理技術者資格者証の写し」を提出しました。

合格率はどれくらい?

合格率は、コンクリート工学会が公表するデータによると、過去5年で15.7%~17.7%です。

過去5年の試験の受験者数、合格者数、合格率を示すグラフ

同じくらいの合格率の試験で、受験者数の多いものだと、宅建があります。

ただし、宅建は誰でも受けられる試験ですが、コンクリート診断士は実務経験等の受験資格が求められることから、受験者の能力は一定程度確保されているはずです。

このことからも、ある程度の技能を有した専門家が受けても15%強の合格率しかない難易度の高い試験であることがわかります。

採点基準は?四肢択一のボーダーはどれくらい?

詳しい採点基準は公開されていませんが、おそらく採点は相対評価です。

年間の合格者数を一定数確保するために、択一問題で足切り→記述問題で合格者数を調整 という方式にしていると考えています。

そのように考える根拠として、先ほど載せていたグラフを改めて見てください。

過去5年の試験の受験者数、合格者数、合格率を示すグラフ

2021年から2025年で受験者数が2割弱減っていますが、合格者数は550人前後を維持しています。

そのため、一定の合格者数を確保することを前提に、四肢択一の足きりラインを決めて採点しているものと想定されます。

四肢択一の足きりラインについては、毎年X(Twitter)や各種サイト、掲示板等にて予想が飛び交っていますが、年によって難易度が違うため、足きりラインは結構前後するものと考えています。

簡単な年なら26問~28問(正答率65%~70%)難しい年なら22問~24問(正答率55%~60%)くらいになるのではないでしょうか。

いずれにせよ、よく言われる通り、28問(正答率70%)が安全圏としていいかと思います。

合格に必要な勉強時間と勉強方法は?

受験者の属性を4象限で整理した図

コンクリート診断士の合格に必要な勉強時間は、他のサイトを見ると「200時間~300時間」と書かれているものを多く目にします。

これは果たして妥当な数字なのでしょうか?

結論、必要な勉強時間は「人による」としか言いようがないのですが、受験者のステータスによって目安の時間は出せると考えています。

コンクリート診断士の合格に必要な能力は大きく2つです。

能力Ⅰ.コンクリートの劣化診断・補修方法の提案ができる十分な知識(択一試験対策)

能力Ⅱ.実際の劣化事例に対し、適切な調査・維持管理方法を簡潔にまとめることのできる文章力(論述試験対策)

それぞれの能力があらかじめ備わっているかどうかで、必要な勉強時間は大きく変わってきます

次からは、Ⅰ・Ⅱの能力それぞれの有無に応じて、必要な勉強時間およびやるべきことを4パターンに分けて説明していこうと思います。

受験を考えている方は、ご自身の当てはまるケースをご参照ください。

ケースステータス能力Ⅰ能力Ⅱ必要勉強時間やるべきこと
実務でコンクリートの診断業務に携わっていて、
論文作成にも慣れている人
・試験形式の把握
・四肢択一の過去問を解く
・論文の合格例を見て、構成を把握する
実務でコンクリートの診断業務に携わっているが、
論文作成には慣れていない人
短~中・試験形式の把握
・四肢択一の過去問を解く
・論文の合格例を見て、構成を把握する
・論文を何度も書いて練習する
・論文の添削を受ける
あまりコンクリートの診断業務にかかわりがないが、
論文作成には慣れている人
中~長・試験形式の把握
・コンクリート診断業務の基礎をテキストで学ぶ
・四肢択一の過去問を解く
・論文を何度か書いて慣れる
あまりコンクリートの診断業務にかかわりがなく、
論文作成にも慣れていない人
・試験形式の把握
・コンクリート診断業務の基礎をテキストで学ぶ
・四肢択一の過去問を解く
・論文を何度も書いて練習する
・論文の添削を受ける

ケース①実務でコンクリートの維持管理に携わっていて、論文作成にも慣れている人:30時間程度

ケース①の方は、知識と論述能力があるので、試験形式に慣れる、時間配分等を意識することで十分合格レベルに達することができるでしょう。

試験対策としてやるべきことと、必要な勉強時間は以下の通りです。

【STEP1】試験形式の把握:1時間程度

【STEP2】四肢択一の過去問を解く:10~20時間程度

【STEP3】論文の合格例を見て、構成を把握する(必要により数回書いてみる):10時間程度

の3つです。

それぞれ、具体的には以下の通り進めると良いでしょう。

【STEP1】試験形式の把握

 →日本コンクリート工学会のホームページを見たり、市販の参考書等で試験の形式、内容を把握し、時間配分などをイメージしてください。

【STEP2】四肢択一の過去問を解く

 →ネットやテキストで数年分の過去問を解き、間違った箇所の復習をしましょう。

理解できなかった部分や知らないワードが出てきたら、市販の参考書等で確認してください。

【STEP3】論文の論文の合格例を見て、構成を把握する

 →ネットに落ちているものや、市販の参考書等に載っている合格論文を見て論文の構成を把握してください。

過去問のパターンから、劣化原因別の論文パターンを考えておきましょう。

インプットだけでなく、何回か実際に書いてアウトプットの練習をしておくとなお良いです。

ケース②実務でコンクリートの維持管理に携わっているが、論文作成には慣れていない人:60時間程度

ケース②の方は、論述能力の対策を重点的に行いましょう。必要により資格保有者に添削を受けたりするのも良いです。

試験対策としてやるべきことと、必要な勉強時間は以下の通りです。

【STEP1】試験形式の把握:1時間程度

【STEP2】四肢択一の過去問を解く:10~20時間程度

【STEP3】論文の合格例を見て、構成を把握する:10時間程度

【STEP4】実際に論文を書く:30時間程度

の4つです。

STEP1~3はケース①と同じなので、ケース①の項をご参照ください。

STEP4「実際に論文を書く」については、

・過去問で出題が多い劣化事例(塩害、アルカリ骨材反応、凍害)について自分なりのパターンを作る

・過去問を数年分解いてみる

・解いた過去問の論文を、有資格者に添削してもらいブラッシュアップする

という流れがいいと思います。

ケース③あまりコンクリートの診断業務にかかわりがないが、論文作成には慣れている人:230時間程度

ケース③の方は、まずは基礎知識の習得から時間をかけて勉強しましょう。

試験対策としてやるべきことと、必要な勉強時間は以下の通りです。

【STEP1】試験形式の把握:1時間程度

【STEP2】四肢択一の過去問を解く

【STEP3】STEP2でわからなかった語句を抽出、関連する項目を市販の参考書等で学習

【STEP4】STEP2~3を繰り返す:STEP2~4の合計で200時間程度

STEP5】論文の合格例を見て、構成を把握する:10時間程度

【STEP6】実際に論文を書く:20時間程度

の4つです。

STEP1はケース①と同じですので、そちらをご参照ください。

STEP2以降の流れは以下の通りです。

【STEP2~4】過去問を1年分解いてみる→分からない単語を抽出、参考書で勉強 をひたすら繰り返してください。

過去10年分くらいを8割がた解けるようになれば、知識は十分合格ラインです。

【STEP5~6】

こちらは、ケース②のSTEP3~4と概ね同じ流れで良いと思います。

ただし、コンクリートの診断業務の経験がない場合、記述問題をいきなり解くというのは難しいです。

合格論文を読んでみるだけでなく、必ず、何度か実際に書いてみると良いでしょう。

ケース④あまりコンクリートの診断業務にかかわりがなく、論文作成にも慣れていない人:280時間程度

ケース④の方は、基礎知識の習得、文章の書き方のどちらも勉強しなくてはなりません。

流れはケース③と同じですが、特にSTEP6に時間をかけないと合格は難しいです。

【STEP1】試験形式の把握:1時間程度

【STEP2】四肢択一の過去問を解く

【STEP3】STEP2でわからなかった語句を抽出、関連する項目を市販の参考書等で学習

【STEP4】STEP2~3を繰り返す:STEP2~4の合計で200時間程度

【STEP5】論文の合格例を見て、構成を把握する:10時間程度

【STEP6】実際に論文を書く:50~70時間程度

筆者の受験体験記

筆者の受験体験記については、長くなってしまったので別の記事でまとめています。

この記事で示してるケース①よりも短い、20時間程度の勉強時間で合格できた事例です。

ぜひご覧いただけますとうれしいです。

おわりに

この記事では、「コンクリート診断士」という資格について、どんな資格なのか、必要な勉強時間、勉強方法などについて解説してきました。

コンクリート診断士は決して簡単な資格ではありませんが、コンクリート構造物の維持管理に携わる方のキャリアアップ・スキルアップに確実に活かせる資格です。

この記事が、合格を目指すみなさんの参考になれば幸いです。

その他、筆者が取得をおすすめする資格についてはこちらの記事でまとめていますので、ぜひ合わせてご覧ください。

それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました!

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