【鉄道の仕事】鉄道会社の土木部門で働くと年収はどれくらい?≪筆者の実例つき≫

鉄道

こんにちは。記事の閲覧ありがとうございます。

広いネットの海には「鉄道会社の年収はいくら?」なんて記事がたくさんあります。

僕の感覚ですが、「役職別の年収」「会社別の年収」「採用区分(総合職・一般職)別の年収」について調べている記事はよく見かけるのですが、「職種別の給与」にフォーカスしているものは意外と少ないです。

鉄道会社はたくさんの職種(運転士や駅員、技術系など)の人たちが働いており、それぞれの給与の中身は少し違っているのです。

そこでこの記事では、技術系(土木)にフォーカスして、単に「年収がいくらです」という話ではなく、どんな要素で給与が構成されているのか、手当などについても詳しく解説します。

鉄道会社の技術系の年収について興味がある方、どんな手当がつくのか知りたい方などは、ぜひ最後までご覧ください。

鉄コンくん<br>(筆者)
鉄コンくん
(筆者)

この記事は、鉄道会社の土木部門で10年ほど働いた経験のある筆者が解説します。

ぜひ最後までご覧ください。

鉄道会社の年収はどれくらい?

鉄コちゃん
鉄コちゃん

ちょっとちょっと。自分で「会社別の年収の記事はよく見かける」なんて冒頭で言ってたのに、さっそく同じようなことを話すの?

鉄コンくん
鉄コンくん

木の話をする前に、まずは森の話をしなければなりません。

いきなり技術系の話をしても、全体像がつかめませんよ。

だからまずは、会社別の年収を出すことで、業界の年収相場を把握してほしいのです。

というわけで、まずは全体像からお話しします。

鉄道会社の年収はどれくらいかというボリュームをつかんでいただくために、JR各社+大手私鉄の公表されている情報(IR等)から、各社の年収と平均年齢をまとめました。

JR 7社(平均年収・平均年齢)

会社名平均年収(円)平均年齢(歳)対象期
JR東日本7,670,05739.22025年3月期
JR東海8,102,35736.82025年3月期
JR西日本6,841,77637.32025年3月期
JR九州5,867,44142.72025年3月期
JR北海道5,531,73042.52024年度
JR四国5,369,93643.82025年度
JR貨物5,834,00043.32025年度

注:北海道・四国・貨物は未上場

JRは年収が高い順に 東海>東>西>九州>貨物>北海道>四国 で、約540万~810万と、同業界にもかかわらず差が大きいです。

これは、収益のモデルの影響が大きいです。

JR東海は東海道新幹線、JR東は首都圏の大動脈を保有しており、莫大な利益を上げています。

一方、JR北海道やJR四国は、単体で黒字化は困難であり、国からの補助金を受けることで経営を成り立たせている状態です。

そういった影響で、年収にもこれだけの差が生じているのです。


大手私鉄 16社(平均年収・平均年齢)

大手私鉄16社の定義は、民鉄協会の伝統的区分(東武・西武・京成・京王・東急・小田急・京急・相鉄・名鉄・近鉄・南海・京阪・阪急・阪神・西鉄・東京メトロ)です。

会社名平均年収(円)平均年齢(歳)対象期備考
東武鉄道7,359,27242.12025年3月期
西武HD(提出会社)8,935,04241.92025年3月期※西武鉄道は非上場
京成電鉄8,036,60742.82025年3月期
京王電鉄7,350,000 近傍42.12025年3月期
東急(提出会社)7,958,34939.62025年3月期※東急株式会社(持株・事業会社)
小田急電鉄7,277,98539.02025年3月期
京浜急行電鉄7,909,69840.72025年3月期
相鉄HD(提出会社)7,435,53342.02025年3月期※相鉄は持株会社の数値
名古屋鉄道6,468,35639.92025年3月期
近鉄グループHD(提出会社)7,886,76940.72025年3月期※近鉄は持株会社の数値
南海電気鉄道6,972,01039.52025年3月期

私鉄は最も年収が低い名鉄ですら640万円で、西武・京成・東急など800万クラスが珍しくありません。

私鉄は鉄道事業だけがメインではなく、沿線の不動産事業などで高い収益を上げるモデルが多く見られるのが特徴です。

鉄道会社の給与はどう決まる?

鉄道会社の年収のイメージがつかめたところで、次はもう少し踏み込んで、給与がどのような構成になっているのかお話していきます。

単なる年収総額の話だけではなく、基本給や手当について知るすることで、鉄道会社の給与がどのように決まるのかよくわかりますよ。

給与の構成

鉄道会社にはさまざまな職種の人がいるのは冒頭でもお話しした通りですが、職種によって給与を構成する要素には若干の違いがあります

構成する要素をピックアップすると、以下のようなものがあります。

基本給:ベースとなる給料。年齢や職位で決まる。

残業代:残業時間に応じて付加される。基本給に応じて時間当たりの金額が決まる。

職務・勤務体系で変わる手当:運転士手当、技術系の資格手当など、担当業務の内容で決まる手当。

個人の事情で変わる手当:扶養・単身赴任など、家族構成や居住地等で決まる手当。

この中で、もっとも大きなウエイトを占めるのは基本給です。

基本給は運転士でも技術系でも変わりません。同じペースで昇給していきます。

違いが出るのは 手当の種類と金額です

これは鉄道会社の特徴で、「職務の危険度・拘束度・勤務体系の違い」を手当で調整する仕組みになっているからです。

鉄道会社の「手当」はどんな種類がある?

次に、給与の額を大きく左右する要素である、手当について解説します。

手当の種類は、先ほど挙げたとおり職務・勤務体系で変わる手当」「個人の事情で変わる手当」の2つに大分できます。

それぞれどのような種類があるのか、詳しく解説していきます。

※手当の名称は会社によって大きく異なりますので、ここでは一例として示していることをご了承ください。

職務・勤務体系による手当

まずは、担当する職務や勤務体系、勤務地によって変わる手当です。

もらえる職種は何なのか、合わせて記載しますね。

手当の種類支給対象どんな場合に支給されるか
乗務手当乗務員(運転士、車掌)乗務した距離等に応じて
夜勤手当乗務員、技術系社員など夜間に勤務した場合
資格手当技術系社員など担当する業務に応じた資格を保有している場合
呼出手当技術系社員など設備故障等の際に呼出が発生した場合
特殊手当駅社員、技術系社員など線路内作業など危険を伴う作業を実施した場合
都市手当都市圏で勤務する社員

乗務員は、列車を安全に運行させるという大きな責任を背負うことから、乗務距離に応じて手当が支給されることが多いです。

また、技術系社員は、列車が運行しない時間にしかできない作業も多々あるため、夜勤が多いという業務特性があります。

また、鉄道会社の手当のうち額が大きいものに、都市手当というものがあります。

これは、勤務地に応じて支給されるもので、物価の違い等を考慮したものです。

最大15%加算されるため、年収でいうと地方と都市圏で100万円単位で変わることになります。

主にJR各社にみられる手当ですが、昨今廃止の動きがみられています。

JR東海ではすでに地域間の格差はなくなっています

これらの特徴を加味して、それぞれの業務に応じた手当が設定されています。

② 個人の事情で変わる手当

次に、個人の事情で変わる手当については以下のようなものがあります。

これらは、業務内容によらず支給されるものです。

手当の種類どんな場合に支給されるか
扶養手当配偶者、子供がいる場合
単身赴任手当勤務地の都合で家族と離れて住んでいる場合
住宅手当住宅ローンを組んでいる場合や賃貸住宅に住んでいる場合

残業代はどれくらい?

次に、残業時間の目安を示します。

残業の多さによっても、年収は大きく変動します。

一般に、本社や支社などの企画部門は残業が多く、次に技術系の現業機関、最も残業が少ないのは駅や乗務員です。

筆者の働いていた鉄道会社は、ちゃんと1分単位で残業代が支給されてました。

◆ 運転士・駅勤務:月数時間~10時間程度

まず、乗務員(運転士、車掌)や駅員については、残業時間は少ないです。

これらの職種は、「作業ダイヤ」といわれるシフトのようなものがあり、これに沿って働いています。

シフトが終わったら勤務解放となるため、残業は基本的に発生しません

人身事故などのイレギュラーが発生した場合に残業が発生します。

◆ 技術系(土木・建築・電気等):月20時間程度

技術系は決算期等で残業が増えることがありますが、平均すると月20時間程度です。

年度初など比較的残業が少ない時期は、毎日定時帰りも可能です。

ただし、ひとたび災害が発生し鉄道が被災すると、復旧のために数日帰れないなどの事態になることもあります。

鉄道会社の土木系とはどんな仕事なのか、こちらの記事で解説しています。ぜひ合わせてご覧ください。

土木系の中でも、維持管理についてさらに詳しく知りたい方のために、こちらの記事で解説しています。

鉄道会社で年収を上げるには?

ここまで鉄道会社の給与構成について触れてきましたが、どうしたら給与は増えるのでしょうか。

その答えは、年功序列+資格昇格」の組み合わせです。

◆ 年功序列の昇給

鉄道会社は、古き良き(かどうかは甚だ疑問ですが)年功序列で給与が上がっていきます。

役職によって昇給額は変わるものの、年5000円程度は黙っていても昇給します。

◆ 昇進

年次以外に大きく年収を上げるには、やはり昇進が必須です。

昇格すると 基本給が1〜2万円 上がることになります。

◆ 資格取得

主に技術系の話ですが、業務に関わる資格を取得することでも大きく給与アップできます。

技術士、コンクリート診断士、施工管理技士、電気主任技術者など、会社によって異なりますがさまざまな資格が対象となります。

資格の難易度によっても異なりますが、5,000円~20,000円/月くらいもらえる場合もあります。

土木系の人が取得すべき資格については、こちらの記事で解説しています。ぜひ合わせてご覧ください。

筆者の給料の変遷(おまけ)

ここではおまけとして、僕の新卒入社からの年収の変遷をざっくり示します。

内容はぼかしていますが、かなり実態に近いです。

1年目:年収380万(半分は研修、後半は残業地獄)

3年目:初回昇格、年収430万円

6年目:2回目昇格、都市手当もあり年収520万円

10年目:管理職手前、年収800万円

おわりに

鉄道会社の給料は、派手さはないが「安定性」「手当の厚さ」「年功序列の安心感」が魅力です。

また、資格手当など、スキルアップがきちんと評価される傾向にあります。

この記事が、鉄道会社を目指す人や、技術系の働き方に興味がある人の参考になれば幸いです。

それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました!

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鉄コンくんの「鉄道」×「土木」×「コンクリート」

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